タコス座学 第二話「メキシコのタコスとアメリカのタコス」
どちらもタコスはタコスですが、メキシコ生まれのタコスとアメリカでアレンジされたタコスには大きな違いがあります。
・メキシコ生まれのタコス
タコスはメキシコの伝統食で、国民食とも言えるものです。
トウモロコシから作られた皮(トルティーヤ)に、肉などの具をのせて、トマトや玉ねぎ、唐辛子を刻んだソース(サルサ)をかけ、二つに折りたたんで食べる軽食です。
メキシコの街には至る所にタコス屋があり、メキシコの人たちはちょっと小腹が空いたときなど気軽につまんで楽しんでいます。
メキシコシティでも歩いていると本当にありとあらゆる場所にあり、それは屋台なのか庶民向け食堂なのかレストランかの違いはありますが、中心地は特に歩いてると1~2分につき1店舗(もしくはもっと)タコス屋さんがあります。軽食として最適なので、メキシコの人たちは何時であろうと関係なくタコスをほおばっています。
↑ メキシコのタコス
・アメリカでアレンジされたタコス
アメリカのタコスの代表は、トルティーヤを油で揚げてU字型に成形した皮(タコシェル)に、チリ味のひき肉(チリミート)とレタスなどをはさんだもの。これはアメリカ式にアレンジされたタコスです。
メキシコの隣にあるテキサス州に移り住んだメキシコ人が持ち込んだ料理がアレンジされ、テックス・メックス(TEX-MEX)料理というアメリカ風メキシコ料理が誕生しました。
テックス・メックス料理は世界中に広がり、アメリカ式タコスを本場メキシコの味と思っている人も多いようです。
そもそもタコスの具としてよく知られているチリミートは、メキシコ料理ではありません。これは、チリパウダーというブレンド香辛料(クミン、オレガナ、ガーリックなど)が使用されており、代表的なテックス・メックス料理の代表的な味付けなのです。
もともとのメキシコ料理は香辛料を使わず、何十種類もの唐辛子を使って調味しました。しかし最近は味の国際化が進み、香辛料も多数使用され、チリパウダーも料理に取り入れられています。
↑ アメリカでアレンジされたタコス(TEX-MEX)
日本でも、沖縄ではタコスが比較的一般的で、タコス屋さんも多いそうですがアメリカでアレンジされたタコスの方が多数派だと思います。これは米軍基地から広まったものかと思われます。
↑ タコライス
余談ですが、タコライスはテックス・メックス料理が更に沖縄でアレンジされたものかと思われます。tacoの複数形がtacosであり、タコライスのタコも語源を辿ればメキシコのtacoに行き着きますが、メキシコ人に言わせるとtacosはトルティーヤが必須だそうです。
次回、第三話は「トルティーヤ」についてです。
時間あるときに読んでくださいね。
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